木のおもちゃが育む“感情の発達”

木のおもちゃが育む“感情の発達”

感情の発達

母になってから、ただ「楽しい」だけでなく、子どもの心を育ててくれるおもちゃを選びたい — ずっとそんな思いで探していました。そこで出会ったのが、素朴であたたかい木のおもちゃ。使い込むほど味が出るその存在は、ただの遊び道具を超えて、子どもの感情の成長を支えてくれる相棒だと感じています。

このブログでは、乳児期から思春期に向かうまで、木のおもちゃがどのように感情の発達を支えるのか、その理由と具体例をご紹介します。


感情の発達ってなに?

感情の発達とは、子どもが自分の感情を理解し、表現し、コントロールしていく力を身につけるプロセスのこと。人間関係の築き方やストレスへの対処、困難に向き合う姿勢など、生涯にわたる心の土台になります。

感情の発達は、喜びや不快などの基本的な感情が芽生える乳児期から始まり、幼児期・学童期・思春期へと段階的に深まっていきます。その過程で、共感性・ねばり強さ・社会性が少しずつ育っていきます。


なぜ“木のおもちゃ”なの?

一見シンプルな木のおもちゃが、なぜ心の成長に効くの?— 答えはその「余白」と「手ざわり」にあります。音や光の刺激が多い玩具とちがい、木のおもちゃは遊び方を子ども自身が見つけていきます。想像力が自然と引き出され、感情を安全に表現・整理できる時間が生まれます。

木のおもちゃが心に届く理由

  • 自由度の高い遊び(オープンエンド)

積み木、動物フィギュア、ドールハウスなどは、物語づくりやごっこ遊びを通じて感情の理解と表現を促します。

  • 素材の安心感

木の温もりや質感は、落ち着きや安心感をもたらし、情緒の安定に役立ちます。

  • 関わり合いを生む設計

みんなで遊べるものが多く、順番待ち・協力・ルールづくりなど、対人スキルの練習が自然にできます。


発達段階ごとの関わり方

乳児期(0〜1歳)

この時期は「安心感」と「信頼関係」がいちばんのテーマ。

木製ラトルや歯固めのようなシンプルで安全な玩具は、手や口で確かめる体験を通じて、喜び・不快といった基本的な感情を穏やかに経験させてくれます。泣いたら寄り添う、笑ったら共感して一緒に笑う — 大人の丁寧な反応が、「世界は安全」という感覚を育てます。

幼児前期(1〜3歳)

感情の波が大きくなる時期。まだ上手にコントロールできないからこそ、小さな成功体験が大切です。

  • 型はめ・形合わせ:集中と試行錯誤を促し、うまくいかない気持ちと向き合う練習に。
  • ごっこ遊び(動物・車・人形):うれしい、くやしい、かなしい……気持ちを役になりきって表現できます。

 

 

積み木の塔が崩れて涙、それでももう一度挑戦して達成 — そんな繰り返しが、感情の立て直し(セルフレギュレーション)を育てます。

 

幼児後期(3〜5歳)

共感や社会性がぐっと伸びる時期。

ドールハウス、ままごとキッチン、工事セットなどは、友だちと物語を作るのにぴったり。

「ウサギの家族がにんじんを切らして困ったら?」「どう助ける?」— ストーリーの中で、相手の気持ちを想像し、言葉で伝え、解決を一緒に考える力が育ちます。

児童期(6〜12歳)

人間関係が複雑になり、集団の中での立ち位置も意識し始めます。

大きめの組み立てセット、協力型ボードゲーム、手ごたえのあるパズルは、チームワークやコミュニケーション、根気を養うのに最適。うまくいかないときの悔しさ、友だちへの嫉妬、役割調整の難しさ — そうした感情を、創作や挑戦のプロセスで消化しやすくなります。


遊びと感情の発達の関係

幼少期の経験は、脳の基盤づくりに直結すると言われます。とくに自由で安全な遊びは、感情の理解・自己調整・対人関係の学びを同時に進めてくれる貴重な時間。木のおもちゃでのオープンエンドな遊びは、失敗しても責められない環境をつくり、**「考える・感じる・やってみる」**の循環を支えます。

たとえばブロックタワー。手先や空間認知だけでなく、待つ・工夫する・あきらめないといった心のスキルもいっしょに鍛えられます。


木のおもちゃで育つ“社会情動スキル”

  • 共感を育む:動物や人形を「さびしい」「うれしい」と擬人化し、どう関わるかを考えることで、他者理解が深まります。
  • 関係づくりの練習:協力してつくる・役割分担する・話し合う——対立や誤解も含めて、調整力が身につきます。
  • 感情の「見える化」:フィギュアで場面を再現することで、言葉にしづらい気持ちを安全に出し入れできます。

ご家庭でできるサポートのコツ

  • 年齢に合った玩具選び:乳児にはラトルや歯固め、年齢が上がるほどごっこ遊び・構成遊びへ。
  • 想像を引き出す声かけ:「ウサギさん、いまどんな気持ちかな?」「このあと、どうなると思う?」
  • モデルを見せる:大人が順番を守る・待てる・やさしく断るなど、行動で示してみる。
  • 社会的な場面を用意:きょうだいや友だちと遊ぶ機会を作り、協力や交渉を経験させる。
  • ローテーション:玩具を入れ替えて、新鮮さと集中を保つ。

幼少期を超えて — 大人になるまで生きる力に

遊びの中で身につく感情知性・共感・しなやかさは、大人になってからも支えになります。塔を積む、パズルを解く、人形をなぐさめる — そんな小さな体験の積み重ねが、心の筋力を育てていきます。


まとめ

木のおもちゃは、シンプルだからこそ深く、創造性・協調性・感情のセルフケアをやさしく後押ししてくれます。次におもちゃを選ぶときは、ぜひ木の温もりに触れてみてください。きっと「塔」だけでなく、共感や喜び、ねばり強さという見えない宝物も、少しずつ積み上がっていくはずです。

みなさんのお気に入りの木のおもちゃは何ですか?よろしければコメントで教えてください。ヨハンボックスといっしょに、子どもたちの心の成長を応援していきましょう。

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